2020年6月29日月曜日

長期相続登記等未了土地解消作業5 旧民法730条2項(いわゆる去家による養親子関係の消滅)(備忘)

昨年の12月16日に作業を開始して、今月の21日に60件目を納品することができました。
約6カ月かかりました。
59件目を納品したのが4月15日でした。
60件目を納品したのが6月21日です。
あと1件というところで、2か月足止めをくらいました。
戸籍の返送処理速度が自治体によって違うので、遅い所に当たってしまうと、納品も遅くなるのです。おそらく、雨合羽の仕分けで忙しかったのだと思います。
取得した戸籍・附票の数は約2100通でした。

60件の内、珍しかったものとしては、家附の継子の相続権について(備忘)にもありますように、「家附の継子」が登場したものが1件ありました。
また、旧民法730条2項(いわゆる去家による養親子関係の消滅)の適用により、養親子関係が消滅しているかどうか、が問題となるものが2件も(!)ありました。
どうやって見つけることができたのか自分でもよく分かりませんが、見つけることができました。

いちおう、①養子縁組が継続する場合、②養子縁組が解消する場合、の2種類データを作成し、②となった場合に不要となる戸籍・附票のリストも作成して、納品しました。

例えば、以下のような時系列です。名前、日付は架空です。
甲と丙との養親子関係が消滅しているかどうかが問題となります。

1 甲が佐藤家で出生(明治41年)
2 佐藤甲が鈴木乙太郎との養子縁組により鈴木家に入籍(大正10年6月)
3 鈴木乙太郎が死亡し、鈴木甲が家督相続(大正10年10月)
4 鈴木甲が丙を養子にする(昭和7年9月)
5 鈴木甲が 隠居し、鈴木丙が家督相続(昭和7年10月)
6 鈴木甲が高橋戊との婚姻によって鈴木家を去り、高橋家へ入籍する(昭和7年12月10日)

上記の時系列で、甲と丙との養親子関係は、旧民法730条2項(いわゆる去家による養親子関係の消滅)の適用により、昭和7年12月10日に消滅しているはずです。しかし、現在の丙の戸籍に養母として甲が記載されていることが、結構あるようです。
私が見つけたのは、2件とも現在の戸籍に養母として記載のあるものでした。

旧民法730条2項が問題となった最高裁判例もあるということも、いつもお世話になっている同職の方から教えてもらいました。

今年度の作業にも参加する予定です。
今年度はまた少し、事務処理の仕方が変わってくるようなので、戦々恐々としています。

以上です。