新潮社。神田松之丞、杉江松恋。
突然の読書日記です。
神田松之丞さんが、どのようにして講談師を志し、入門し、現在に至るかが書かれています。
松之丞さんといえば、来年2月に6代目神田伯山を襲名することが決まっていて、乗りに乗っている講談師です。
この本を読んで、松之丞さんの講談師への「なり方」がすごい、私も真似すればよかったかもなと思いました。
松之丞さんは、大学4年間をとおして、芸人としての素養を身につけるため、様々なジャンルの芸能の舞台を客として観たそうです。ご自身で表現・実践するのではなく、客の立場で、いろいろ観たそうです。
そして、大学卒業後、師匠に入門する。
この「なり方」がすごいなと思いました。
芸人になろうとすれば、どうしてもすぐに実践したくなるものではないでしょうか。
そこを客に徹するところが、すごいなと思いました。
私は大学時代は演劇ばかりやっていまして、私の場合は演劇サークルに入り、実践の日々でした。70回くらいは舞台に立ちました。
勉強のために、他の学生劇団を中心にたくさん観に行きもしました。
将来役者になるために、4年間は客として観続けようなどという思いは一切ありませんでした。
当時は、ニットキャップシアターやヨーロッパ企画が旗揚げされた頃で、よく観に行っていました。
そして、大学卒業とともに、演劇を辞める。
そもそも、私の個人的な問題を解決するために演劇を始めたのであり、何がなんでも絶対に役者でという気もなかったですし、どう進めばプロになれるのかもよく分かりませんでしたから、それはそれで良かったのですが、もう少し戦略を立てていれば違う結果になったような気がしないでもありません。
また、松之丞さんの講談を聴くと、素晴らしくて、もし、演劇ではなく講談に出会っていたらどうだったかなということも考えます。
以上です。