2017年8月1日火曜日

抵当権抹消登記

時々、抵当権抹消登記の依頼を受けます。
土地や建物に設定されている抵当権を抹消してほしいという依頼です。
住宅ローンを完済したときなどに行うものです。
抵当権抹消登記の依頼に限らず、不動産登記の依頼が来たときは、まず、登記がどうなっているかを確認します。
現在の権利関係を確かめるためです。
そのためには、土地の所在・地番などの情報が必要です。
登記を確認するには、法務局に行って登記事項証明書を取得してもいいですが、最近では、インターネットで登記情報を取得できるようになっているので、これを使います。

そして、登記を確認して、抵当権抹消登記をするために何が必要かを考えます。
通常、必要なものとしては、
①登記原因証明情報としての解除証書など
②抵当権設定時の登記済証又は登記識別情報
③司法書士に対する委任状
です。
ですが、その他にも必要なものが出てくることがあります。
例えば、土地の所有者の氏名や住所が、結婚や引っ越しなどで変更していた場合、抵当権抹消登記の前提として、氏名・住所の変更登記が必要です。
登記の件数が1件増えます。
氏名・住所が変更していることを証する戸籍や住民票の写しが必要です。

その他には、土地の所有者が亡くなっていることもあります。
この場合、亡くなった人から委任状をいただくことはできませんので、抵当権抹消登記の前提として、相続による所有権移転登記が必要になります。
登記の件数が増えます。
こうなると、単なる抵当権抹消という局面ではなくなり、相続による所有権移転登記が終わるまで、少し時間がかかります。

さらに、その他には、抵当権設定時の抵当権者(主に金融機関)が、他の抵当権者(主に金融機関)に合併されて消滅している場合もあります。
この場合、抵当権が抹消された時期が、合併の前か後かによって、処理が変わります。

単なる抵当権抹消登記でも、いろいろと考えることはあります。